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「村上さんのところ」

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p25-26
質問「私はあまり怒ることがありません。友達に裏切られたり、恋人に浮気されたりしても怒れませんでした。昔から問題に巻き込まれやすく、仲裁に入らざるを得ないこともよくあるのですが、常に客観的に考えようとしてしまいます。こんな状況にななった場合、普通なら怒るのだろうとは思うのですが、怒ってもしょうがないか、と考えてしまいます。これは自我や感情がないということなのでしょうか?よくないことなのでしょうか?」

村上春樹の回答「友達に裏切られても、恋人に浮気されても怒らない…いいじゃないですか。僕もあなたと同じようにだいたい「ま、しょうがないか」と思っちゃう性格です。だから気持ちはよくわかります。でも怒り狂って相手を殴りつけたり、陰湿なストーカーになったりするのに比べたら、ずっといいじゃないですか。人にも迷惑かけないし。それは自我や感情がないということとは違います。あなただって、そんなことされて心が傷ついているのでしょう?でもそれを表には出さずに、自分の中にそっと沈めているだけなのでしょう?自分で静かに悩んで、自分の内側を広く大きくしていけばいいんです。何も気にすることはありません。」

考: これを読んで「あ、これ俺のことだ」と思った。確かに、高校生の頃の僕が村上春樹の文学に惹かれたのも、乾いた登場人物ばかりが登場することに、ある種の親近感を覚えたからかもしれません。そして、今やドライでなくなってしまった感傷的な僕が、B1で春樹文学を読み漁ったのは、そうした過去の感覚を取り戻そうとする見えない野心があったからなのかもしれません。

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YuWd (Yuiga Wada)
著者
YuWd (Yuiga Wada)
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