「アイデア作成の基礎となる一般原理」
→ 1. アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。(p28)
→ 2. 既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい (p29)
- 1について
→ 「アイデアは、製品と消費者に関する特殊知識と、人生とこの世の種々様々な出来事についての一般的知識との新しい組み合わせから生まれてくるものなのである。」(p38)
考: あくまでも「考え抜かれていない」アイデアについての主張である、と考えればすごく腑に落ちる。
→ 新規性とは突き詰めれば、「誰にも思いつかれてないもの」なわけであるから、一般性の枠の中だけに閉じこもっていたり、逆に特殊性ばかりに固執しているようでは「思いつかれていない」ことを思いつくことはできない。
→ 「一般性と特殊性の混淆」
- 2について
考: アイデアというものは、特殊性と一般性の積によって生まれる
→ 特殊性=抽象性 / 一般性=日常的・卑近
→ あらゆる事象から具体性を引き剥がし、深度を調節しつつ抽象化していく必要がある
→ そこで、日常で目に入ってきた情報は、なるだけ抽象化させておいて、何かに役立てようと心掛ける必要がある
・モーパッサンが行った小説の練習について
→ 「この知識の習得には、モーパッサンが小説を書く勉強法としてある先輩の作家から勧められたプロセスに似たところがある。<パリの街頭に出かけてゆきたまえ>とモーパッサンはその作家から教えられた。<そして一人のタクシーの運転手をつかまえることだ。その男には他のどの運転手とも違ったところなどないように君にはみえる。しかし君の描写によって、この男がこの世界中の他のどの運転手ともちがった一人の独自の人物にみえるようになるまで、君はこの男を研究しなければならない。>」
(p35)
・竹内均 :「中庸」と「パレートの法則」について
→「デカルトによれば、人々はそれぞれの人生の大目標をもっており、その実現に全力を注いでいる。この場合に、その日常的な事柄の一つ一つについて熟考するのは面倒なことであり、頭脳と時間の浪費でもある。こういう場合には、最も常識的で最も穏便な意見に従うのがよい。どうでもよいことについては中庸の道を選ぶことによって、われわれは自分自身の人生の大目標に全力を集中し得る。」(p81)
→ 「私をして言わしむれば、中庸は「パレートの法則」の応用である。」 (p82)